肝細胞癌に対する最も有効な治療法は外科手術であるが、根治切除後にも高率に肝内転移あるいは肝外転移を来す(5年無病生存率は約30%)。一方、他癌腫と比較しても肝細胞癌に対する全身化学療法の選択肢は非常に限られており、新規治療薬の開発は喫緊の課題である。当研究により、肝細胞癌に対して、PFKFB3阻害薬PFK15が糖代謝制御により腫瘍細胞増殖を抑制し、また腫瘍血管正常化を誘導できることが明らかとなった。この結果はPFKFB3を標的とした治療が肝細胞癌の転移を抑制し、再発の減少につなげられる可能性を示唆する。
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