まず予備実験として、食道上皮細胞株に暴露するアルコールおよびDCAの濃度を0.05%~1%、10μM~200μMにそれぞれ振り分け、48時間で曝露し、Cell viabilityを評価した。結果として、アルコールの濃度は0.5%ではCell viabilityに影響を与えなかったが、1%でCell viabilityが80%に減弱した。DCA単剤の濃度は20μMまではCell viabilityの低下は認められなかったが、50μM、100μM、200μMでそれぞれCell viabilityは80%、50%、30%であった。アルコールとDCAの併用では、アルコール 0.1%+DCA 50μMでCell viabilityが70%、アルコール 0.1%+DCA 100μMでCell viabilityが50%であった。 予備実験の結果から、単剤投与でのアルコールの濃度を1%、DCAの濃度を100μM、アルコールと胆汁酸の併用は0.1%+100μMに設定し、2次元で食道上皮細胞株に長期曝露を行った。DNA損傷の指標であるγH2axを用いて免疫蛍光染色を行い、アルコール単剤でもDNA損傷を起こしていることが分かり、またDCA単剤、アルコールとDCA 併用でさらにDNA損傷を誘導していることが分かった。
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