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2019 年度 実施状況報告書

肝癌微小環境における癌関連線維芽細胞エクソソームをターゲットとした新規治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K18092
研究機関独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター)

研究代表者

間野 洋平  独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 肝胆膵外科医師 (10792244)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード肝細胞癌 / 癌関連線維芽細胞 / エクソソーム
研究実績の概要

肝癌に対して肝切除を行った症例について、6例から癌部と非癌部の線維芽細胞の抽出に成功した。それぞれ抽出した細胞については、分離培養を行った。
癌関連線維芽細胞(CAF)と非癌部線維芽細胞(NF)の培養上清を抽出し、試薬を用いてエクソソームを抽出した。エクソソームの存在用かはマーカーであるCD9とCD63の発現をウエスタンブロット法にて確認し、電子顕微鏡にてエクソソームと思われる小胞の存在も確認した。
CAFとNFから抽出したエクソソームをHCC細胞株に添加したところ、CAF由来エクソソームによる刺激のほうが有意に浸潤能や遊走能を上昇させた。この結果について検証するために、CAF由来とNF由来の上清からエクソソームを除去してHCC細胞株に添加して比較したところ、浸潤能や遊走能に有意差は認めなかった。これによりCAF由来のエクソソームによる刺激が重要であることを確認した。エクソソームをPKH26で標識してHCC細胞株に添加したところ、CAF由来もNF由来もいずれも細胞株内に取り込まれていることを確認された。
エクソソーム内のmiRNAについてアレイで発現量の比較を行ったところ、CAFではmiR150-3pの発言が有意に低下していることが明らかとなった。
上記研究成果の一部を2019年度消化器癌発生学会にて報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

エクソソームの抽出に成功し、肝癌細胞株への機能を有していることが明らかとなったため。

今後の研究の推進方策

エクソソーム内のmiR150-3pの発現の意義を明らかとするために、miR150-3pの強制発現あるいは発現抑制モデルを作成し、肝癌細胞、癌関連繊維芽細胞への影響の有無について明らかにする。
また、血液等の臨床サンプルにおけるエクソソーム内のmiR150-3pの発現量を計測し、臨床病理学的背景や生命予後等との関連について明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

2019年度はその他の助成金や研究費等からの支出で賄ったものが多くなった。2020年度については、レンチウイルスによるmiR150-3p強制発現株の作成、miR150-3p mimicの購入など、細胞株実験関連に使用する予定である。また、必要に応じて、miR150-3pのターゲット遺伝子の探索し、そのターゲット遺伝子の発現制御モデルの作成も行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 肝細胞癌における癌関連線維芽細胞の役割2019

    • 著者名/発表者名
      マノヨウヘイ
    • 学会等名
      第30回消化器癌発生学会

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公開日: 2021-01-27  

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