研究課題/領域番号 |
19K18096
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
嵯峨 邦裕 大分大学, 医学部, 客員研究員 (50770145)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 減量手術 / 肥満関連肝障害 / 肝星細胞 / 2次胆汁酸 / 肝細胞癌 / スリーブ状胃切除術 / 腸内細菌叢 |
研究実績の概要 |
近年、肥満肝癌発生マウスモデルを用いた研究において、肥満が引き金となって肝癌が発生する生物学的メカニズムの一部が解明された。そのメカニズムのひとつとして腸内細菌叢および胆汁酸の組成変化に伴う肝星細胞 (HSC)の活性化が、 その周囲に存在する細胞のSenescence-Associated Secretory Phenotype (SASP)と呼ばれる老化現象を来すためではないかと推測されている。本研究ではHSCの網羅的遺伝子発現解析を行い、さらにどの胆汁酸がHSCの活性化に強く影響するのかについて検討した。 ヒトHSC line LX-2に対し2次非抱合型胆汁酸であるデオキシコール酸による処理を行ったのち、DNAマイクロアレイによる網羅的解析を行い、Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomesを用いてPathway解析を行った。次に9種類の胆汁酸 (① 1次抱合型胆汁酸: グリココール酸、グリコケノデオキシコール酸、② 1次非抱合型胆汁酸: コール酸、ケノデオキシコール酸、③ 2次抱合型胆汁酸: グリコウルソデオキシコール酸、グリコデオキシコール酸、④ 2次非抱合型胆汁酸: デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸)をHSCにそれぞれ添加後48時間の培養上清のInterleukin-6 (IL-6)濃度測定を行った。 DNAマイクロアレイによるpathway解析を行ったところ、Tumor Necrosis Factor (TNF) signaling pathwayに属する多くの遺伝子群のupregulationを認めた。この傾向は特にnuclear factor-kappa B signaling pathwayにおいて顕著であった。またIL-6に代表されるSASP関連遺伝子の有意なupregulationを認めた。9種類の胆汁酸による各種刺激実験においては2次非抱合型胆汁酸群において上清中IL-6濃度の有意な上昇を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
9種類の胆汁酸による各種刺激実験においては2次非抱合型胆汁酸群において上清中IL-6濃度の有意な上昇を認めた。その結果を踏まえて学会発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
予定通りに研究を遂行する。in vitroに実験を継続し、免疫蛍光染色を用いた共焦点レーザー顕微鏡による観察、フローサイトメトリーによる定量化を行う予定である。
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