研究実績の概要 |
野生型マウスに対し四塩化炭素の腹腔内注射(25% CCl4 2uL/gBW,2回/週を6週間)を行い、肝線維化モデルマウス作成を行いました。Sirius red染色、αSMA、Fn1免疫染色を行い、四塩化炭素の腹腔内投与を行ったマウスで肝の線維化をきたしたことが示されました。続いて四塩化炭素の腹腔内投与による作成した線維化肝ヌードマウスと正常肝ヌードマウスに、Lgr5高発現と低発現のヒト大腸癌細胞株をそれぞれ門脈注射し、線維化肝ヌードマウスでLgr5高発現ヒト大腸癌細胞株の肝転移がより多く見られたことを示しました。転移の評価方法としては大腸癌細胞株にルシフェリンを導入し、細胞株の門脈注射による肝転移モデルマウスを作成した後にルシフェラーゼの尾静注を行い、蛍光撮影による評価を行いました。 ここでLgr5陽性大腸癌細胞の幹細胞性の維持のためのニッチに関連する物質としてRspoに注目しました。線維化肝でRspo1,3が高発現であることをqPCRで示しました。in vitroの実験でRspo1、Lgr5高発現と低発現のヒト大腸癌細胞株の共培養をそれぞれ行い、Lgr5高発現ヒト大腸癌細胞株でより細胞増殖が促進されたことを示しました。
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