AOMDSSモデルも用いた潰瘍性大腸炎からの発がんモデルでの繊維素溶解系のメカニズムが明らかとなった。がん細胞、そして腫瘍を支える免疫細胞マクロファージにおいて繊維素溶解系の抑制においてEGF/EGFRをはじめとしたシグナルの抑制にplasminが関与していることが判明した。plasmin阻害剤であるトラネキサム酸により発がんが抑えられ、腫瘍随伴性マクロファージの組織への動員を抑制させた。それは細胞外マトリックスの分解を担うMMPfamilyのectodomain sheddingにplasminが関わっていることからも、炎症細胞の動員を抑制させ、炎症細胞が産生するEGFを抑えていることがわかった。plasminは歴史のある薬だが、長期に使用することによって潰瘍性大腸炎のがん化を抑制することができる。
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