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2019 年度 実施状況報告書

生体内イメージングを応用した移植膵島可視化によるグラフト生着率改善の試み

研究課題

研究課題/領域番号 19K18108
研究機関新潟大学

研究代表者

三浦 宏平  新潟大学, 医歯学系, 助教 (70733658)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードICG標識自家膵島移植モデル / ブタ / 単純共培養法 / IRIシステム / 正常耐糖能 / 日本移植学会 / ヨーロッパ移植学会 / アジア移植学会
研究実績の概要

2019年度は本研究の目的である「ICG蛍光法で肝内に移植された膵島を可視化し、確実な生検を実施すること」を目指し、膵島の最適なICG標識方法、および標識膵島の安全性を検証した。
ICG標識自家膵島移植モデルの作成:ICG標識自家膵島移植モデルを体重10kgから20kgの実験用ブタ計4頭を用いて以下の方法で作成した。全身麻酔下にブタの尾側膵切除(80%切除)を実施した。切除膵の主膵管から10mg/kgに調整したコラゲナーゼを注入し、ウミヒラチャンバーを用いて膵島を分離した。分離された膵島を2.5mg/mlのICGで単純共培養法により標識した。ICG標識膵島を脾静脈から挿入されたカテーテルより経門脈的に肝内に自家移植した。この時点でIRIシステムを用いて肝臓の蛍光確認部位と蛍光強度を記録し、タイムゼロポイントのICG標識膵島データとして記録した。
移植後の検体採取:移植後は連日の血液検体の採取と血糖測定を実施した。また移植後7日目および14日目に全身麻酔下に開腹し、IRIシステムを用いて標識膵島を観察した。いずれのポイントにおいても蛍光強度が保たれていることを確認した。また蛍光部位を生検し組織学的に標識膵島が生着していることを確認した。更に、既存の非標識膵島による自家移植群と血液検査データ、血糖値の推移を比較し有意な差が無いことを確認した。上記実験結果より、適切なICG標識方法が確定し、またICG標識膵島による自家移植が安全に施行可能であることを確認した。
膵島移植実験に関する情報収集:日本移植学会、ヨーロッパ移植学会、アジア移植学会に参加し、膵島移植研究に関する最新の知見を収集した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2019年度に予定した実験は概ね実施計画の通りに進行しており、予期していなかった問題等は起こっていない。更に2020年度に予定していた標識膵島の生検についても実施されたため、部分的には当初の計画以上に進行している。単純共培養法以外のICG標識方法(リポソーム修飾法、タンパク質結合法)の有用性や安全性、および移植後の炎症性サイトカイン測定については未実施であり、次年度以降に検証すべきと考える。

今後の研究の推進方策

研究実施計画に沿って主にin vitroの実験を進める。2020年度に実施予定であった「標識膵島の生検」が2019年度に実施できたため、組織学的に生着膵島数と蛍光度の関係性を検証する。
2019年度に実施できなかった単純共培養法以外のICG標識方法(リポソーム修飾法、タンパク質結合法)の評価、および移植後の炎症性サイトカイン測定についても同時に進行する。実験が計画通りに進めば、ブタを用いた膵島移植の拒絶反応モデル作成に着手する。
また、日本移植学会に参加し膵島移植実験における最新の知見を収集する。

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公開日: 2021-01-27  

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