研究課題
本研究では「ICG蛍光法で肝内に移植された膵島を可視化し、確実な生検を実施すること」を目的に、以下の3項目の研究実施計画を立案した。研究課題A(2019年度):膵島の最適なICG標識方法および標識膵島の安全性の検証研究課題B(2020年度~):ICG標識膵島の生体内での同定可否の検証研究課題C(2020年度~):ICG蛍光法による拒絶反応診断可否の検証最終年度である2021年度には、移植されたICG標識膵島の生検検体を検鏡し、同部に確実に膵島細胞が生着していることを確認した。また、ICG標識膵島移植後の動物の生存率および血液検査データを解析し、移植が安全に実施され膵島が機能していることを確認した。初年度からの実験の結果、ブタにおけるICG標識膵島の移植では、動物に過剰な侵襲を加えることなく安全に移植が実施され、さらにIRIシステムにて肝外から膵島移植部を確実に生検できることが証明された。上記の結果を第17回アジア移植学会およびTransplantation Proceedings誌(Miura K, et al. Transplant Proc. 54(2):507-512, 2022)にて報告した。研究目的である「ICG蛍光法で肝内に移植された膵島を可視化し、確実な生検を実施すること」は達成されたと判断する。本研究では、研究課題Cとして立案した拒絶反応診断可否の検証には至らなかったため、今後の研究の展開として実施する方針である。
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Transplantation Proceedings
巻: 54 ページ: 507~512
10.1016/j.transproceed.2021.10.029