本研究では、57例の膵癌患者から術前治療前、術前治療後、術後の3点で採取した末梢血単核細胞を4種の膵癌抗原ペプチド(CEA、MUC1、TERT、WT1)で刺激した際に生じる抗原特異的CD8 T細胞反応を次世代型フローサイトメトリーにて解析し、その臨床学的意義を検討した。その結果、術前治療前のIFN-γ 4-1BB double-positiveな膵癌関連抗原特異的CD8 T細胞の頻度が、術前治療に伴う血清CA19-9値の変化率と有意に逆相関 した(R=-0.556, p=0.011)。これにより、膵癌関連抗原特異的CD8 T細胞反応は術前治療の有効性に関連する可能性が示唆された。
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