本研究では,肝内胆管癌周囲において細胞障害性T細胞中に集簇する制御性T細胞の比率が高いものは強い抑制性免疫環境が誘導され、肝内胆管癌の切除後予後を悪化させることを示した。また、一般的にリンパ節転移を有する肝内胆管癌では予後は極めて不良だが、原発巣に誘導される抑制性免疫環境は、腫瘍細胞の存在しないリンパ節の免疫環境に反映され、リンパ節転移を伴う肝内胆管癌でより強い抑制性免疫環境が誘導されていた。こうした事象は、原発巣にもたらされた抑制性免疫環境は、領域リンパ節においても抑制性免疫環境を誘導し、pre-metastatic nicheを形成していることを示唆している。
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