高齢者においてApelin発現が低いことはNat Med 2018の既報に合致することで、さらにサルコペニア群でApelin発現が低いことも確認できた。一方でApelinは微小血管新生を促進させることもわかった。しかしながらサルコペニアは有意な予後不良因子であることが確認できた一方、Apelinの発現自体では長期生存率に差はないことから、Apelinは癌の予後を増悪させることなくサルコペニアの治療ターゲットとなり得るかもしれない。細胞や動物を用いた研究での確認が待たれるが、高齢化が進む本邦においてサルコペニアと癌の新規治療戦略につながる発見は社会的意義が大きいと考えられる。
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