網羅的遺伝子発現データを用いた治療ターゲットの検索 今回我々は、胆管癌における分子標的治療の治療標的を検索する為にTCGA(The Cancer Genome Atlas)の遺伝子発現データを用いて網羅的な解析を行った。胆管癌の予後及び再発と強く相関する遺伝子を検索したところ、DKK2(dickkopf WNT signaling pathway inhibitor 2)が予後及び根治切除術後の再発率共に強く相関する事が明らかとなった。
網羅的な遺伝子発現データを用いた治療標的としてのDKK2の同定とin silicoにおける機能解析 胆管癌における薬物治療標的として有用な遺伝子を検索するため、TCGAから胆管癌症例の癌部のマイクロアレイデータベースを用いて検討を行った。TCGAの胆管癌症例約50例において、cox比例ハザードモデルにより再発に対するハザード比が3.0よりも大きい遺伝子を選び、この内ハザード比が最も高い(HR: 3.48)DKK2を選択し、治療標的としての有用性を検討する事とした。同TCGAのデータベース及び、当科にて利用可能である複数のマイクロアレイデータベースのコホートを用いて、DKK2を相関の高いpathwayや、免疫細胞の相関をin siicoにおいて解析した所、再発及び全生存率との有意な相関を認めた。
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