RING box protein-1(RBX1)はSCF-ユビキチンリガーゼの構成タンパク質の一つである.術前未治療食道癌120例の切除検体を免疫染色にてRBX1発現の臨床的意義を検討した.壁深達度,リンパ節転移,腫瘍径,リンパ管侵襲,静脈侵襲において発現率に有意な差を認め,RBX1高発現は独立した予後不良因子であった.ヒト食道細胞株のRBX1発現をノックダウンすると,増殖能は有意に抑制され,5-FUの増殖抑制効果が増強された.術前化学療法後検体61例の検討では,RBX1高発現群は予後不良であった.RBX1は食道癌に対し臨床学的意義を有し,腫瘍の進展において重要な役割を担っている.
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