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2019 年度 実施状況報告書

レクチンアレイを用いたエクソソーム糖鎖解析による新規膵癌バイオマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K18132
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

中野 容  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70770832)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード膵癌 / 糖鎖 / リキッドバイオプシー / エクソソーム / レクチン
研究実績の概要

膵癌は予後不良な難病で、種々の治療モダリティの開発にも関わらず死亡数は年々増加している。膵癌治療の問題点は、1. 既存の診断手法では膵癌の早期診断が困難なため根治手術が可能なステージで発見されることが少ないこと、2. 膵癌の分子生物学的特徴に基づいた特異性の高い治療がないこと、が挙げられる。これを克服し治療成績を向上させるためには、外科切除可能な病変の早期診断および膵癌の生物学的特徴に裏付けられた層別化に基づいた集学的治療戦略が必要である。また、膵臓は腫瘍部からの生検が他の消化管悪性腫瘍に比べ困難な臓器であり、簡便で低侵襲な検査手法が求められている。その中で体液中の癌由来の分子を測定するリキッド・バイオプシーは注目されている。
本研究では膵癌患者の血清から抽出したエクソソームを用いてレクチンマイクロアレイによる比較糖鎖プロファイリングを実施し、膵癌を特異的に結合する候補レクチンを2種類同定した。それらの候補レクチンで膵癌切除検体のパラフィン包埋切片を染色し、腫瘍部分で染色陽性となり、正常膵組織では染色陰性となることを確認した。
エクソカウンターというエクソソームの定量測定可能な機器は、2種類の抗体でサンドイッチ検出すること血清中のエクソソーム数を測定する。エクソカウンターを用いて抗体とレクチンでエクソソームをサンドイッチ検出する実験系の確立を検証している。この系で血清中のエクソソーム上に発現する糖鎖を解析することにより、膵癌の早期発見、進行度や治療効果のモニタリング等に利用できると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

膵癌に特異的に結合する候補レクチンを2種類同定した。それらの候補レクチンで膵癌切除検体のパラフィン包埋切片を染色し、腫瘍部分で染色陽性となり、正常膵組織では染色陰性となることを確認した。これらの候補レクチンを用いて、膵癌マーカーを測定する系の確立を目指している。エクソカウンターの測定について方法については習得しており、今後は候補レクチンでの測定系を確立させる。そして実際に臨床検体の測定を予定している。

今後の研究の推進方策

今後はエクソカウンターを用いて候補レクチンでの測定系を確立させる。そして実際に臨床検体の測定を予定している。また、膵癌患者血清の他に対照となる血清についても採取・収集を進めている。

次年度使用額が生じた理由

雇用予定だった実験補助員の雇用がなくなったこと、また試薬の到着が遅れたこと、などの要因で次年度使用額が生じました。次年度使用助成金は翌年度分と併せて、実験計画を効率的に進めるために新たな雇用や、進捗が遅れている分の試薬の購入などに当てる予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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