研究課題/領域番号 |
19K18133
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
青木 悠人 日本医科大学, 医学部, 助教 (40763256)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | テロメア長 / TERT活性 / PCR法 / 大腸癌肝転移 |
研究実績の概要 |
大腸癌肝転移の外科切除症例において、単発の小さな肝転移でも、早期に再発し不幸な転機をとる患者がいる一方で、多数の転移を認めても、手術で肝転移を取り除くことで、大腸癌が治癒する患者が存在する。しかし、術前より予後を予測することは困難である。本研究は肝転移切除術後の予後を予測するために、癌細胞のテロメア長やテロメレース活性が利用できないかを検討し、さらにliquid biopsyへの応用に挑戦するものである。 実施初年度は大腸がん肝転移症切除例の切除標本検体・採血サンプルを収集を開始した。 切除標本を用いたものとしては、予備実験として既存の切除標本サンプルからPCR法にてテロメア長およびTERT活性を測定する予備実験を行い、測定方法をほぼ確立しつつある。今後、新たに集積したサンプルを用い解析を順次進めていく予定にしている。 また、liquid biopsyでのテロメア長ならびにTERT活性に関しては、採血中より分離した血中遊離癌細胞に白血球がコンタミネーションしてしまうことが問題となるため、その精度を高める方法を模索中である。抽出効率を向上させる必要があるが、single cellでの測定の可能性なども含め模索している。 次年度以降は集積した切除標本サンプルの解析をすすめるとともに、さらなるサンプルの蓄積を進める予定である。また、liquid biopsyへの応用はコンタミネーションに対応する方法(精度の向上)を確立し次第実施していく予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年4月より学内で異動があり、都内から千葉県の分院に異動となった。異動先で再度倫理委員会承認やサンプルの保管場所の確保後にサンプル(切除標本)の集積を開始したため、サンプルの集積に半年ほど遅れが出た。 また、新型コロナ蔓延により、都内にある協力研究機関との行き来ができない時期があり、解析も遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
サンプルの集積は現在順調に行えておりを用い、切除標本検体でのPCR法によるテロメア長・TERT活性の測定を行っていく。また本年も更にサンプル集積を引き続き行う。また、採血を用いたliquid biopsyによる測定は、引き続きコンタミネーションの影響を排除する方法を模索し、測定方法を確立し次第初めて行きたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は解析が少数に限られたため、昨年購入分の試薬・材料の代金が見込みより少額であった。次年度は解析数が本年に行えなかったも分を含め予定より増加する見込みであり、支出額も増加する見込みである。 また、新型コロナ蔓延に伴い学会出張もキャンセルとなった。
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