本研究は大腸がん細胞におけるVEGF受容体の役割を解明することを目的としている。大腸がん細胞が発現する複数種類のVEGF受容体のうち、どれを阻害した際に遊走能の亢進が生じるか検討を行った。成果としては、VEGF受容体の1に対する特異的阻害剤を大腸がん細胞に添加することにより、遊走能が亢進することを明らかにした。そのメカニズムとして、VEGF受容体1の阻害によりc-Metのリン酸化が亢進することを明らかにした。VEGF受容体1はVEGF阻害薬使用時における遊走能の獲得に重要な役割を有する可能性を見出した。
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