生体内に内在するMuse細胞が、心筋梗塞などで炎症・壊死が起こった部分に遊走し組織修復に関わっていることが報告されている。同様の遊走の機序が肝切除周術期に起こっているという仮説は妥当であると考えられるが、今回の研究では条件検討に難渋し解析に繋げることができなかった。我々はFACSでの評価を試みたが、他の実験方法を用いた解析を試みる必要があると考えられる。適切な解析方法が確立でき、肝切除周術期のMuse細胞の血中動態が把握できた場合は、Muse細胞移植の適応の判断に活用でき、その意義は大きいと考えている。
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