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2021 年度 実績報告書

脱細胞化技術を用いた新たなヒト肝硬変モデルの開発とそれを用いた肝硬変治療法の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K18144
研究機関京都大学

研究代表者

宮内 雄也  京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (30839064)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード脱細胞化組織 / 肝硬変 / 微小環境 / 細胞外基質
研究実績の概要

当研究では硬変肝における変性、増加した細胞外基質が肝細胞に細胞外からシグナルを与えることで、肝細胞の肝特異的機能が低下しているのではないかとの予想を立てた。肝細胞が変性した細胞外基質で構成される微小環境から受けるシグナルを阻害することにより肝特異的機能を改善させ、肝不全の治療へと繋げることを目的としている。我々は以前肝硬変の細胞外基質が肝癌細胞株にIntegrin-FAKシグナルを介して上皮間葉転換を引き起こし、増殖能や浸潤能を増悪させることを報告した。同様の手法を用いてまず肝硬変ラットモデルを作成し、硬変肝脱細胞化組織を作成した。対照として正常肝脱細胞化組織を作成した。正常肝細胞を硬変肝脱細胞化組織および正常肝脱細胞化組織に注入し、肝硬変モデルおよび正常肝モデルを作成した。4日間培養後するとalb・cyp3a1といった肝特異的遺伝子発現が肝硬変モデルでは有意に抑制されていた。免疫染色でも同様に肝硬変モデルではAlbumin・CYP3a1のタンパク発現が有意に抑制されていた。Integrin-FAKシグナルを検討したところ、肝硬変モデルではIntegrinやリン酸化 FAKの発現が有意に増加していた。さらに肝硬変モデルでは肝特異的機能を示すHNF4aの遺伝子発現は低下し、上皮間葉転換を示すsnailの遺伝子発現は増加していた。続いてFAK阻害剤を投与しIntegrin-FAKシグナルの抑制試験を行った。 FAK阻害剤投与された肝硬変モデルではHNF4αの遺伝子発現が容量依存性に増加し、免疫染色にてHNF4a発現が増加していた。一方、FAK阻害剤投与により上皮間葉転換を示すsnailの遺伝子発現は低下することが示された。これらから肝硬変モデルではIntegrin-FAKシグナルを介して上皮間葉転換が惹起され、肝特異的機能が低下することが示唆された。

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公開日: 2022-12-28  

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