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2021 年度 実施状況報告書

CTと術中動画を用いた膵上縁リンパ節郭清シミュレーションモデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K18151
研究機関神戸大学

研究代表者

山崎 悠太  神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60817823)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード腹腔鏡下胃切除術 / 膵上縁リンパ節郭清 / ディープラーニング / 物体検出
研究実績の概要

2021年度は前年度に引き続いて、①CT画像からの臓器血管3D構築モデルの創出、②手術動画中の鉗子自動認識システムの開発とそれを用いた臨床研究、③物体検出モデルを用いた鉗子動作のトラッキング、④物体検出モデルを用いた臓器血管の自動認識、を行った。①については、3Dプリンタを用いてCT画像から症例ごとの臓器血管モデルを作成するため、3Dプリンタうを導入しモデルの作成を試みた。②については、YOLOv3を用いて作成した腹腔鏡下胃切除術中の手術器具自動認識システムを、データセットを充実させることで更に多種類の器具・シーンに対応させ、胃切除術中の幽門下リンパ節郭清・膵上縁リンパ節郭清中の術具使用状況を術者技術レベルごとに比較し、その特徴を明らかにした。消化器外科領域において、AIを用いてデータを採取したほぼ最初の臨床研究として、Journal of
Gastrointestinal Surgeryにてpublishされた。③については、3D内視鏡画像からの臓器・鉗子位置情報の抽出を目的として、drybox内で鉗子を操作し、同drybox内にパラレルに配置したカメラで撮影した映像中からYOLOv3によって認識された鉗子の3次元座標を三角測量の手法を用いて算出し、2本の鉗子の縫合結紮における動作を経時的連続的にトラッキングし得た。上記の研究成果の一部を、学会にて発表、また商用誌にて公表した。また、学術誌に投稿中である。④については、YOLOv3を用いて、腹腔鏡下胃切除術の動画からデータセットを作成し、右胃大網状脈・右胃動脈・左胃動脈・左胃静脈の自動認識に成功した。上記についても、学会及び商用誌にて成果の一部を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

・新型コロナウイルス感染症の拡大・蔓延の遷延により、医療機関としての機能維持を優先し、研究活動自体が長期的に中止・制限を受け、研究の進捗に大幅な影響が出た。
・研究協力機関での人員削減により支障をきたした。
・リンパ節郭清シミュレーションモデルをCGで作成する前段階として、3Dプリンタでリアルなモデルを作成を試みたが、複雑な構造の再現などに技術的な障壁があり難渋・停滞した。

今後の研究の推進方策

カメラを用いた鉗子動作の3Dトラッキング、臓器・血管・鉗子の自動認識、など基礎的な技術開発は着実に前進している。3Dプリンタを用いた症例ごとのリアルなシミュレーションモデルの創出には、内視鏡位置のトラッキング(臓器とカメラの相対的位置関係の算出)という技術的ハードルの克服が必要であり、内視鏡画像中からの臓器血管の自動認識をブラッシュアップして、定位的なカメラ位置の推定算出を目指していく。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19感染症の流行と蔓延により、海外で開催される学術会議への出張がなくなったこと、研究協力機関へのミーティングでの出張機会の減少、国内学会がWeb開催となったことによる出張機会の減少、研究の遅滞による必要物品の減少などから、計画通りの支出額に満たなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Quantitative Comparison of Surgical Device Usage in Laparoscopic Gastrectomy Between Surgeons’ Skill Levels: an Automated Analysis Using a Neural Network2021

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki Yuta、Kanaji Shingo、Kudo Takuya、Takiguchi Gosuke、Urakawa Naoki、Hasegawa Hiroshi、Yamamoto Masashi、Matsuda Yoshiko、Yamashita Kimihiro、Matsuda Takeru、Oshikiri Taro、Nakamura Tetsu、Suzuki Satoshi、Otake Yoshito、Sato Yoshinobu、Kakeji Yoshihiro
    • 雑誌名

      Journal of Gastrointestinal Surgery

      巻: 26 ページ: 1006~1014

    • DOI

      10.1007/s11605-021-05161-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] AIを用いた腹腔鏡下胃癌手術における手術器具自動認識システムの開発と利用2021

    • 著者名/発表者名
      山崎悠太、金治新悟、掛地吉弘
    • 雑誌名

      消化器外科

      巻: 44 ページ: 1193-1202

  • [学会発表] 内視鏡外科領域における外科医による人工知能の開発の一成果と展望2021

    • 著者名/発表者名
      山崎悠太、金治新悟、工藤拓也、原田仁、澤田隆一郎、裏川直樹、後藤裕信、長谷川寛、山下公大、松田武、押切太郎、掛地吉弘
    • 学会等名
      第3回 日本メディカルAI学会学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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