本研究の目的は、術前CTによる3D臓器構築及び手術ビデオからの画像認識を用いて、ロボット支援下胃切除術における膵上縁リンパ節郭清のシミュレーションモデルを作成することである。 胃癌に対する鏡視下胃切除術において、膵上縁リンパ節郭清は重要で、かつ個人差が大きく難易度の高い手技である。症例ごとの膵上縁リンパ節郭清のシミュレーションモデルが構築されれば難易度の高さを克服できる。しかし膵や血管を含む膵上縁の臓器の位置・形態は個体差が大きく、術中の視野展開操作により変形・移動する。そのため症例ごとの術前CTと手術ビデオからの臓器位置情報の抽出が必要である。 症例ごとの膵上縁リンパ節郭清シミュレーションモデルに、ロボット支援下手術の鉗子操作情報を融合すれば、手技の予習や復習及び症例経験の共有が可能なシミュレータを開発できる。
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