研究課題/領域番号 |
19K18156
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
大久保 友貴 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70770238)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 食道癌 / NOTCH1 |
研究実績の概要 |
昨年度までの臨床検体に追加してさらに2016年~2019年の食道癌の摘出標本を用いて免疫染色を行い、NICD1の核での発現量を0:0~50%、1:50~100%として低発現群と高発現群の2群に分け、予後との比較を検討した。しかしながら、症例数を増加したが明らかな有意差は認めなかった。 昨年度施行した食道癌細胞株KYSEシリーズのNICD1の発現量はKYSE70で最も高値であり、一方でKYSE30で低値であった。NICD1の発現量の多いKYSE70にsiNOTCH1を導入した。一方、NICD1の発現量の少ないKYSE30にNICD1を強制発現のためのベクターを導入し、それぞれの細胞株でNICD1の抑制および発現の増加を得られたため、本年度はそれらの細胞株の浸潤能や増殖能などを調べた。増殖能を調べるために、WST-1 assayを施行し、浸潤能を調べるためにInvasion assayをそれぞれ施行した。NICD1を導入すると増殖能に関しては上昇する傾向はみられたが、明らかな有意差は得られず、また浸潤能に関しては変化は認めなかった。また、ベクターやsiRNAを導入した細胞よりタンパクを抽出し、ウエスタンブロッティングで増殖能を調べるためにKi67を測定、浸潤能を調べるためE-カドヘリンをそれぞれ調べたが、これらも有意差を得ることができず、本年度の実験ではNOTCH1が増殖能浸潤能に与える影響に関しての結論は得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
臨床検体においては発現量を2群に分けて比較したが、別の分類を検討し、再度NICD1の発現量を予後などを比較する。 細胞実験に関しては引き続きベクターおよびsiRNAによりNICD1の発現量を調整し、浸潤能や増殖能を検討し、研究をすすめていく。
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今後の研究の推進方策 |
ベクターあるいはsiRNAを導入する食道癌細胞株を変更する、あるいは浸潤能や増殖能を調べるための比較する遺伝子やタンパクPCNAやMCM2あるいはSlugやSnailなどの発現量も調べNICD1の発現量との関連に関して比較検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験が思ったように進まず、次年度使用額が生じました。 今後、実験の頻度を増加する予定です。
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