抗がん治療増強作用薬としてのG2/Mチェックポイント阻害剤として、現在他悪性腫瘍に対して第二層試験が行われているAZD6738を用いることとした。まずはAZD6738が大腸癌のkey drugである5FUに対して治療増強効果が認められるかを確認した。大腸癌の培養細胞では5FUにAZD6738を添加することで5FU単剤より細胞増殖が抑制されることを確認した。さらに、AZD6738を添加することでG2/Mチェックポイントが解除され、細胞内のDNA損傷が修復されず蓄積されていくことも確認した。マウスの皮下に腫瘍細胞を移植したモデルでも腫瘍増殖がAZD6738を付加することで5FU単剤よりより抑制されることが確認された。 この背景をもとに、FTDにおいてもAZD6738を添加することで培養細胞において腫瘍増殖抑制能の増強が得られることを確認できた。
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