研究課題/領域番号 |
19K18165
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
高橋 吾郎 日本医科大学, 医学部, 助教 (70637818)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 閉塞性大腸癌 / 大腸ステント / 微小環境 / 腫瘍内浸潤リンパ球 |
研究実績の概要 |
[閉塞性大腸癌に対する自己拡張型金属ステントの腫瘍学的安全性の評価]の研究課題に対して、2021年4月より独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究 所、石渡俊之研究部長の指導のもと共同研究を開始。マルチスペクトル顕微鏡および蛍光多重染色(OPAL染色)を利用し、閉塞性大腸癌症例のがん微小環境の評価を開始した。 2010年から2021年までに閉塞性大腸癌と診断された症例のうち、大腸ステント(SEMS群)もしくは経肛門的減圧管(TDT群)にて減圧された後に原発巣切除を行った症例を対象とし、両者のがん微小環境を比較検討することで、SEMSの腫瘍学的安全性の評価を行った。 結果は、SEMS群で有意にInvasive marginにおいてCD4+Tリンパ球とCD8+Tリンパ球の浸潤を認めた。CD4+Tリンパ球とCD8+Tリンパ球は大腸癌において予後良好因子として知られており、がん微小環境に関してはSEMSはTDTと同等であると結論付けた。 この研究成果は、第122回日本外科学会定期学術集会のサージカルフォーラムにて発表を行った。 令和5年度は上記研究成果を、第82回日本癌学会、第78回日本大腸肛門病学会にて発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Ion Torrent Liquid Biopsy PlatformでのCTC回収が、試薬製造中止の影響で実験不能な状況になり、マルチスペクトル顕微鏡によるがん微小環境の研究に2021年4月から変更になった。データ解析は終了し、論文投稿を行ったが、現在3誌にRejectされており、現在論文修正中である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究における新規性に関しては以下の通りである。 ①予後不良とされている閉塞性大腸癌においても腫瘍内浸潤リンパ球(tumor-infiltrating lymphocytes; TILs)が予後予測因子となる。 ②減圧デバイス(SEMS vs. TDT)間のTILsのprofileを比較したところ、SEMSにおいてCD8、CD4の浸潤が多く確認された(いずれも予後良好因子として報告あり)。
今後はPD-1/PD-L1やNestinなど、腫瘍免疫関連・血管新生に関する免疫染色を行い、マルチスペクトル顕微鏡を用いて更なる腫瘍学的安全性の評価を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に論文がacceptされていれば、Open access fee等に充てる予定としていた。また、reviseで追加実験の必要性があれば試薬購入代金に充てる予定である。
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