研究課題/領域番号 |
19K18170
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
正木 直樹 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (00837403)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 総肺静脈還流異常症 / 肺静脈狭窄 / ラパマイシン / 薬剤徐放フィルム / 徐放 |
研究実績の概要 |
我々はブタ肺静脈狭窄モデルを確立しそのメカニズム解明と薬剤徐放フィルムによる予防効果を示してきたが現段階では完全な予防には至っていない。本研究ではより効果的な予防法確立を最終目的の一つとして、薬剤徐放効率を改善させるべく一方向にのみ徐放するラパマイシンフィルムを開発し、肺静脈狭窄症予防への有効性を検討している。 初年度はラミネート加工を応用し薬剤を含むdrug layerと吸収速度を調整するbarrier layerからなる二層性フィルム作製し、一方向徐放性能を有するフィルムのシステムを構築した。また、各layerの基材としてポリカプロラクトン単剤、ポリ-L-乳酸単剤、配合比率の異なるPLGAを検証し、それぞれのin vitroでの吸収速度の検証を行った。 本年度はdrug layerにin vivoでの使用を検討しているラパマイシンを実際に含有したフィルムを作製し、barrier layerの基材を調整することでの徐放速度の検証、一方向徐放性能の検証を行った。ラパマイシンを含有したdrug layerは薬剤を含まない基材のみのものと比較し、柔軟性等大きく変化がないことが確認され、ラミネート加工を施すことで二層性フィルムの作製が可能であった。現在in vitroでの同フィルムの一方向徐放性、徐放速度検証を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実際に薬剤を含んだ二層性フィルムを作製することはできたが同フィルムの一方向徐放性、徐放速度の検証に時間を要している。本年度検証を予定していたin vivoでの薬剤徐放性能の検証に至っていない状況であり、遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
in vitroでの多層性フィルムの一方向徐放性能や徐放速度の検証に関して当初検討していたU字管を用いたインキュベート法にかわる代替検証法を引き続き検討していく。in vitroでの徐放性能の検証が困難な場合、ブタの頸静脈周囲にフィルムを適用し、in vivoでの薬剤徐放性能、徐放速度を先行して検証することも検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
効率的に研究を行った結果、次年度使用額が生じたが、引き続き本研究の消耗品費に充てる。
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