研究当初よりグラファイトシートの模擬弁輪への縫着を施行する際のシートの離開が問題となった。シートの厚さや糸の種類を変えて検討を重ねたが、縫合針の刺入部から用意に亀裂がはいる状況であった。3Dプリンターでの模擬弁輪作成を行いグラファイトシートを縫合し、心臓機能の模擬ファントム回路内に組み込み、拍動下での弁の観察実験を試みた。しかし、弁輪縫合部の脆弱性による不安定性から予定していた、弁の可動性や耐久性といった次の段階の研究へは進むことが困難であった。グラファイトシートの自己心膜の様な弾力性に乏しいことが問題と考えられた。
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