研究課題/領域番号 |
19K18184
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
衛藤 弘城 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (70637157)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Dimond-like carbon / 人工弁 / 血液適合性 / タンパク吸着 / 血小板付着 / 機械弁 |
研究実績の概要 |
前年度は人工弁へDiamond-like コーティングを行う事に成功し、人工心肺使用下にブタで大動脈置換術を施行したが、ブタが人工心肺を離脱できず、データを得ることができなかった。一報、Diamond-like carbon は親水性を向上し、アルブミン吸着を向上し、フィブリノーゲン吸着を減少し、血小板付着を減少することを確認した。 今年度は引き続き動物実験を行う予定であったが、実験室での状況が変わった。人工心肺技師への負担から、人工心肺技師の協力を当面得られなくなったため、人工心肺を使用した実験が不可能となった。そこで、我々は拍動流を再現する閉鎖形回路を作成して、作成した人工弁の血液適合性試験を行うこととした。装置については、別資金にて、高砂電気工業の協力を得て行う事とした。同時進行として、全年度の蛋白吸着試験、血小板付着試験、全血付着試験の追加試験を行った。コロナ感染拡大の影響を受けて、半年ほど、装置の作成が滞ったが、本年度末には、ほぼ閉鎖回路での拍動流の再現が可能となった。最大圧と最小圧の差は50mmHg ほど得られることがわかっており、人体内での圧差をほぼ再現できる装置となっている。現在、拡張期圧(最小圧)がほぼゼロであるため、これを人体の60mmHg程度に少しでも近づけることができないか?調整中である。装置完成後、水試験で稼働を確認し、人工弁を用いて、拍動流下のタンパク付着実験、全血付着実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染の影響で、物品の物流が滞った影響を受けて、半年ほど実験がほぼ停止した。また、人工心肺技師の協力体制が急になくなってしまったため、In-Vitro実験系構築へ移行せざるをえなかったため、その準備に時間を要した。動物実験以外の実験進捗は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、作成した閉鎖形拍動流回路の運用試験を行い、そこをパスしたら、人工弁を据え付けた状態で、拍動流下でのタンパク付着試験、全血付着試験を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述の通り、人工心肺使用実験が滞ったため、上記の次年度使用額が生じた。実験が中断したため、1個75万円を見積もっている人工弁を購入も見合わせたため比較的高額の残額が生じた。In-Vitroでの評価装置は別資金を使用した。次年度、人工弁の購入、In-Vitro実験の実行費用、得られた検体の解析費用として使用予定である。
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