研究課題/領域番号 |
19K18186
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤田 智 九州大学, 大学病院, 助教 (80621383)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 肺動脈狭窄モデル / 肺動脈形成術 / 3Dプリンター |
研究実績の概要 |
肺動脈の形成術術後の狭窄は、先天性心疾患領域ではしばしば見られる疾患である。手術はNakata indexを指標にして、自己心膜や人工血管を使用した修復術、 もしくは人工血管置換術を行う。しかし術後十分な血管径が確保できておらず狭窄となってしまう場合がしばしばある。 このような問題を克服するために、患者データから3Dプリンターを使用して肺動脈狭窄モデルを作成し、実際に数パターンの肺動脈形成と人工血管置換を行い、 そこから得られた情報を解析することで現在よりもより良い治療法を検討するという実験モデルの着想を得た。さらに小児という特性も考慮し、非侵襲的な装置である超音波検査とそれに対応する最新の解析ソフトを使用して、血流の可視化と様々なデータを収集する。その得られたデータを元に個々の患者にとって最適な肺動脈形態の検討を術前にすること可能にできると考えられる。先天性疾患のような変化に富む個々の症例に対応ができるようになりテーラーメード治療の実 現に近づくことになることとなる。 今回、同意を得られた患者に関しては術前のデータ収集を行なった。現時点ではまだ数例程度であるが、数例集まった時点で3Dプリンターを使用した肺動脈狭 窄モデルの作成を依頼する予定としている。 実験の準備として、肺動脈狭窄モデルの模型を自作し、それを使用して安定して体外循環装置で循環動態を維持できることを確認した。また、自作の模型を使用してではあるが、実際にエコーでの測定を行い、解析データの収集ができることは確認できた。今後は実際に3Dプリンターで実験モデルを作成して計測を行なっていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の目的に当てはまる症例のデータ収集がまだ完了していない状態である。 日立アロメディカル超音波装置のPROSOUND F75 PremierCVであるが、レンタルでの使用での申し入れを受けていただけた。しかし、レンタル費用が高額であり、短期間でのレンタルしかできない状況である。そのためなかなか研究が進まない状態である。3Dプリンターに関しては、詳細なオーダーメイドの作成には当初想定した予算よりもコストがかかるようであり、そちらの費用の交渉を現在しているほか、他社との交渉も同時に行なっている。
|
今後の研究の推進方策 |
自作模型を使用しての解析モデルでの実際の圧測定やエコー使用してのデータの取得といった技術的な部分はクリアできていると思われる。対象となるような症例があれば、術前データの収集を行いサンプル数を増やしていき、3Dプリンターで作成した肺動脈狭窄モデルで実際のデータを収集し解析を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(未使用が生じた理由)日立アロメディカル超音波装置 PROSOUND F75 PremierCVのレンタル予定であったが、レンタル費用が高額である為、使用期間を見直し来年度に見送ることとなった。3Dプリンターに関しては、詳細なオーダーメイドの作成には当初想定した予算よりもコストがかかる為、現在、複数の業者と交渉中である。また人件費での支出を予定していたが該当事案が発生しなかったので次年度使用額が生じた。 (次年度使用計画)日立アロメディカル超音波装置 PROSOUND F75 PremierCVのレンタル費を中心に使用して研究を実施する予定である。
|