研究課題/領域番号 |
19K18187
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
牛島 智基 九州大学, 大学病院, 助教 (70529875)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 細胞骨格関連蛋白質 / 心不全 / 心筋症 |
研究実績の概要 |
本研究は、重症心不全に対する補助人工心臓の治療効果を分子生物学的視点から評価し、新たな心不全治療開発への知見を蓄積することを目的としている。これまでに本研究代表者および本研究代表者が所属する研究室では、マウス心筋細胞における細胞骨格関連蛋白質Fhod3の機能解析を行い、心臓の発生段階および成熟心臓での心保護作用を報告してきた。また、Fhod3はヒト拡張型心筋症および肥大型心筋症の原因遺伝子の1つであることが知られており、本研究では重症心不全患者を対象としてヒト心筋Fhod3の機能を明らかにすることを目指している。 初年度では、マウスでの解析実績をヒトFhod3の機能解析で踏襲することができなかったために、新たなヒト心筋サンプルの採取とFhod3の検出方法の確立を目指した。次年度では、単回手術から得られた心筋サンプルを用いて各種心不全マーカーの測定を行い、臨床データとの相関を解析したが、現時点では明らかな相関関係を見いだせていない。今後は、同一症例において異時的に取得した心筋サンプルで、時間経過を考慮しての分子生物学的解析および臨床経過との相関を解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
同一症例で異時的に取得できるヒト心筋サンプルの数が限定的であるために、統計学的解析を行うに満足な症例数が不足している。研究の進捗は、取得した心筋サンプル数に依存している。また、同時に臨床データの取得を進め、分子生物学的解析結果との相関関係を見出すための解析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
実験手法や解析方法は確立されているため、取得したサンプル数に応じて研究を進めている。また、既存もしくは新規取得の臨床データから、得られた分子生物学的解析結果との相関関係を見出すための解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
(未使用が生じた理由) 予定よりも消耗品の支出が少なく済んだため、次年度使用額が生じた。 (次年度使用計画) 令和2年度経費の中で2,041,151円の未使用分があり、これを次年度に繰り越し、令和3年度は合わせて2,841,151円を消耗品費を中心に使用して研究を実施する予定である。
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