本研究において、選択的脳灌流モデルラットの作成に成功し、選択的脳灌流体外循環を行うことで、脳の早期障害を検出し、術後脳機能障害が惹起されることを見出した。これに水素ガスの有する、酸化ストレス、炎症、細胞死、代謝に対して多面的、効果的な作用を応用することで、 選択的脳灌流体外循環によって惹起される、術後せん妄、短期記憶障害、高次脳機能障害を抑制することが予想される。その結果、これまでに確立されてきた至適脳灌流法や低体温法に加えて、新たな視点からの術後QOLの向上、生命予後改善へと繋がる革新的な治療法になりうる。
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