「16S rRNA遺伝子の塩基配列決定による起炎菌同定法」の感度向上を目指した本研究によって、これまでに、感染性大動脈瘤患者などを対象に、血液検体及び組織検体から起炎菌の同定を図ってきた。これまでに23検体中21検体で起炎菌同定、あるいは陰性の一致を確認できており、感染性動脈瘤や縦隔炎の起炎菌としては世界で初となる菌種の同定にも成功した。さらに一部の症例では、含有菌量が格段に少ない血液検体からも起炎菌を同定することができ、既存の検査法よりも早期に結果が判明するなど、本研究手法が感染症治療にとって有益な情報、有効な検査手法になり得ることが示された。
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