今後の研究の推進方策 |
今後は上記研究課題、ならびに左室補助人工心臓治療がおよぼす関連する生理学的効果に関して以下の要領で研究推進を行う予定である。まず、大動物実験においては、本現象が有する臨床的意義および心室間相互作用に附随して生じる臨床的課題(左室補助人工心臓治療後右心機能不全、心室中隔偏位)の理解を深めるために、評価モダリティーの追加、ならびに実験モデルの追加を行う予定である。 評価方法としては、昨年度用いたコンダクタンス法に加え、臨床的評価方法としても確立されているスペックルエコー評価による詳細な心室中隔、右心機能の評価を追加する予定である。また、実験モデルとして昨年度は正常心機能における評価を行ったが、本年度は心不全モデルにおける検討を予定している。具体的にはβ遮断薬投与による薬剤性心不全モデルや、外科的冠動脈結紮もしくはカテーテルによる冠動脈閉塞による心不全モデルを作成し、本現象の検討を行う予定である。 さらに、同時に研究を進めている 左室補助人工心臓の生理的な補助方法としての心拍同期制御システムの数理的解析と合わせ、今後もより安全で生理的なLVAD制御方法の開発を推進する予定である。 (Ogawa D, Kobayashi S, Yamazaki K, Motomura T, Nishimura T, Shimamura J,et al. Mathematical evaluation of cardiac beat synchronization control used for a rotary blood pump. J Artif Organs. 2019 Dec;22(4):276-285.)
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