研究課題/領域番号 |
19K18206
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
齋藤 大輔 金沢大学, 附属病院, 助教 (50722055)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ビタミンB2 |
研究実績の概要 |
本年度はビタミンB2の至適量および豚モデルの実験系の確立に努めた。 今回の研究ではvitamin B2水溶液として0.01%FAD sodiumを使用した。投与量としては0.5mlより1.0mlのほうが認識しやすく、浅い胸膜直下のほうが観察が容易であった。
Vitamin B2マーキングがhook wire localizationと同様に有効であるかを次年度評価するため、同じ場所に2種類のマーキングを逐次行う実験系の確立を行った。hook wire localizationは、肺腫瘍の術前マーキングとして臨床使用されているGMSを用いた。GMSは、胸壁を貫くためのguiding needleと、臓側胸膜に穿刺するためのmarking needleから構成される。marking needle内にはナイロン糸を接続したステンレス製のhook wireと、それを押し込むためのプッシャーが装填されている。guiding needleに止血弁付きガイドシースを接続し、穿刺時に空気が入らないように、あらかじめguiding needleの内腔にFAD sodiumを充満した。まずX線透視下に臓側胸膜に対し、このguiding needleを穿刺した。次にX線透視下にguiding needleに接続された止血弁付きガイドシースよりmarking needleを穿刺した。marking needle内のpusherを押し込むことでhook wireを臓側胸膜下に留置、その後hook wireに接続されたナイロン糸を軽く牽引することで、hook wireが確実に肺に留置されたことを確認した。marking needleを抜去したのち、guiding needleよりFAD sodiumをhook wire穿刺部に注入した。注入後に穿刺部の肋間を開胸してmarking areaの観察を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した通り順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度確立したビタミンB2の至適条件と確立した実験系により本法が臨床応用可能か検討する。上記デバイスにより肺マーキングの視認性の可否、既成の針マーカーとビタミンB2による肺マーキングの一致性、手技に要した時間、ビタミンB2の注入部位の正確性、マーキングに伴う合併症を検討する。 結果を論文報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用した豚が予定以上に少なかったことが次年度使用額が生じた主な理由となった。次年度の臨床応用可能かの実験において多くの豚を使用する可能性があり、その費用とする。
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