研究課題/領域番号 |
19K18209
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 彰太 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20612849)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 仮想胸腔鏡画像 / 呼吸器外科 / 手術 / ロボット支援下手術 / 手術ナビゲーション / 低侵襲手術 |
研究実績の概要 |
当該研究の最終目標は、「仮想胸腔鏡のみによる呼吸器外科手術」の実現で、それに向けて今年度に実施した研究は、術中の胸腔鏡用鉗子の位置を自動的に同定できる技術開発である。昨年度で得られた仮想胸腔鏡画像のデータベース構築により得られた仮想胸腔鏡画像と実際の胸腔鏡画像をほぼ同時に表示する技術を駆使して、課題である胸腔鏡用の鉗子の位置を自動的に把握する必要が出てきた。鉗子の体腔外に出ている側にアンテナを設置し、仮想胸腔鏡画像上に位置と動きを示すことを、研究協力者である名古屋大学情報学部と愛知工業大学情報学部とで作業を進め、術中の胸腔鏡用鉗子の位置の自動同定を達成し概ね予定どおりの進捗が得られた。鉗子の位置同定が可能となったことで、操作状況を仮想画像上に示すことが可能となり、これまでの成果で得られている仮想画像上の胸腔内臓器との関連も把握可能となった。一方で、鉗子の細やかな操作、つまり臓器にどのような操作がされているかについては画像に示すことができておらず、課題で現行のロボット支援下手術の技術を応用する必要がでてきた。今後は、鉗子で操作した臓器の位置把握が課題となるが、実物大3D臓器モデルの作成と体腔内全体を見渡せるモニターの開発およびそれらを仮想胸腔鏡画像上に同期して示すことができる技術開発がR3年度の主たる研究項目となる。実物大3D臓器モデル作成と体腔内全体を見渡せるモニターの開発を前半に、後半はそれらで描出される実像を仮想胸腔鏡画像上に同期させて表示する技術開発を実現し「仮想胸腔鏡のいによる呼吸器外科手術」のためのナビゲーションシステム構築を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度に実施した研究は、術中の胸腔鏡用鉗子の位置の自動同定の実現で、概ね達成された。課題は鉗子で操作した臓器の位置把握だが、これについてもすでに進捗しており研究全体として概ね計画どおりに進捗しているから。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、鉗子で操作した臓器の位置把握が課題となるが、実物大3D臓器モデルの作成と体腔内全体を見渡せるモニターの開発およびそれらを仮想胸腔鏡画像上に同期して示すことができる技術開発がR3年度の主たる研究項目となる。実物大3D臓器モデル作成と体腔内全体を見渡せるモニターの開発を前半に、後半はそれらで描出される実像を仮想胸腔鏡画像上に同期させて表示する技術開発を実現し「仮想胸腔鏡のいによる呼吸器外科手術」のためのナビゲーションシステム構築を目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度はこれまでに蓄積されたデータベースの応用が可能な研究が多かったため、使用額が少なかったことが理由だが、次年度では実物大3D臓器モデル作成や大動物での実証実験計画があり、差額を使用する計画である。
|