研究実績の概要 |
2015年1月から2018年12月に切除された病理病期0-IA期の肺腺癌検体のうち,置換型増殖と腺房および乳頭型増殖を有する8例を抽出した.Laser capture microdissectionで正常肺組織と置換型増殖をそれぞれ切り出ししてRNAを抽出した.次世代シーケンサーを用いてRNA tarageted seqencingを実施して各部位における遺伝子発現の網羅的解析を行った.発現変動遺伝子(false discovery rate; FDR<0.05)2,536を同定し, 置換型増殖ではupregulated gene が863とdown regulated gene が1,673であった.これらの発現誘導遺伝子の中で,Choline transporter-like proteinであるSLC44A5に着目して免疫組織化学染色を別の対象を用いて行ったところ,浸潤性肺腺癌30例のうち27例 (90%),AISまたはMIA 30例のうち23例 (76.7%)の置換型増殖に陽性で,正常肺組織はすべて陰性であった.
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