本研究はMET肺がんの分子標的治療に対する耐性機序の解明およびその克服を目的とした。MET遺伝子増幅を有する肺癌細胞株H1993とEBC1のクリゾチニブ(MET阻害薬)耐性株を樹立し、以下の3種類の耐性機序を明らかにした。①MET遺伝子増幅の消失、さらにEGFR遺伝子の変異および増幅による耐性獲得。EGFR阻害薬アファチニブの併用による増殖抑制効果あり。②SERPINE1発現上昇による耐性獲得。SERPINE1阻害剤併用による耐性克服を確認。③上皮間葉移行(EMT)およびMEK/MAPK経路活性による耐性獲得。MEK阻害剤トラメチニブ併用により増殖抑制効果あり。
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