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2021 年度 実施状況報告書

悪性胸膜中皮腫PDXモデルを用いたATP関連がん代謝を標的とした治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K18217
研究機関広島大学

研究代表者

上垣内 篤  広島大学, 病院(医), 医科診療医 (70825231)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードがん代謝 / 悪性胸膜中皮腫
研究実績の概要

予後不良な疾患である悪性胸膜中皮腫の優位がん代謝を明らかにし、ATP 関連がん代謝を標的とした新規治療薬の開発を目標としている。悪性胸膜中皮腫は稀な疾患であるため、まずは検体を得やすい肺腺癌において、新規治療薬の標的となりうる代謝機構の同定を試みた。TCGA(The Cancer Genome Atlas)データベースを用いてATP 関連がん代謝としてGlycolysis型と酸化的リン酸化を主に使用するOxphos型に分けた。酸化的リン酸化を利用する肺腺癌が存在することが示唆されたことから、肺腺癌細胞株において酸化的リン酸化の重要な役割を担うミトコンドリア呼吸を標的とした阻害薬を使用したところ、正常細胞ではほとんど変化が認められない低濃度で細胞増殖抑制効果が認められた。
次に同様に悪性胸膜中皮腫を対象としてTCGAデータベースを用いて組織別の代謝タイプを検討し、悪性胸膜中皮腫は肺腺癌とは異なり、代謝の活性化が認められる症例ではGlycolysisのみならず酸化的リン酸化も亢進している可能性が考えられた。現在、悪性胸膜中皮腫細胞株を用いてGlycolysisや酸化的リン酸化を標的とした代謝阻害薬の実験を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

悪性胸膜中皮腫細胞における治療標的となりうる代謝関連分子の選出に予想以上に時間を要しており、遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

現在行っている細胞株を用いた代謝阻害薬実験に並行してTCGAデータベースを用いた追加の悪性胸膜中皮腫と正常細胞との代謝タイプの比較解析を行っており、有望な治療標的となる候補分子を選出中である。その後、悪性胸膜中皮腫における優位代謝を明らかとし、それぞれの優位代謝別に拮抗薬の抗がん作用を検討したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

悪性胸膜中皮腫細胞株を用いた優位がん代謝を標的とした治療薬の効果の検討は細胞株で実施を進めている段階で、NSGマウスの購入やそれを用いた内容には至らなかった。また学会の中止やWeb開催に際し、旅費が不要であった。 今後は悪性胸膜中皮腫細胞における治療標的となりうる優位代謝の代表的候補分子の同定と、優位代謝別の拮抗薬の抗がん作用の検討をさらに進めていくことを予定しており、試薬購入費や解析費として使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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