研究課題/領域番号 |
19K18218
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤原 誠 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 専門研究員 (60780442)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 経皮血液ガスモニタ / 肺切除術 / 周術期管理 / 術後合併症 |
研究成果の概要 |
術前血液ガス分析検査、術後血液ガス分析検査、術中血液ガス分析検査と、経皮血液ガスモニタのCO2とPaCO2の相関係数はr2 = 0.923(n = 121)であり、EtCO2とPaCO2の相関係数はr2 = 0.650(n = 65)であった。全症例において、術中は片肺換気で管理されていたが、換気量の減少にもかかわらず、多くの症例では著明なCO2貯留は認めず、抜管直後の自発呼吸の際に最もCO2が貯留する傾向をしめした。さらに、術後徐々にCO2貯留をきたし、CO2ナルコーシスと診断され、一般病床からICU管理となった症例も認めた。経皮血液ガスモニタによる24時間モニタリングの有用性が示された。
|
自由記述の分野 |
胸部外科学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は呼吸器外科領域における、経皮血液ガスモニタリングの有用性を検証した研究である。肺切除術は、術前後の呼吸機能が変化する点、ならびに術中の分離肺換気による片肺換気が患者に与える影響を正しく把握することが肝要である。しかし、毎度の血管穿刺をおこない血液ガス分析を行う侵襲は高く、病棟でも簡易に測定する手法の開発が必要である。今回、我々は経皮血液ガス分析の有効性を示し、術中のEtCO2よりも有用な指標であり、モニタリングの精度が高いこと。また、周術期の呼吸不全に対しても時系列データを把握することで早急な治療が行われたことを示した。これによりより良い周術期管理の一助となると思われる。
|