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2019 年度 実施状況報告書

スフィンゴリン脂質およびMMPを介する肺癌の治療抵抗性のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K18226
研究機関金沢医科大学

研究代表者

本野 望  金沢医科大学, 医学部, 講師 (30634901)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード肺癌 / 幹細胞 / スフィンゴリン脂質 / セリンプロテアーゼ / マトリックスメタロプロテアーゼ
研究実績の概要

癌の増殖には血管新生が重要であり、癌幹細胞の活性化にも血管新生が重要であるとの仮説を立てた。肺癌浸潤部でのCD31陽性症例を対象に、新生血管の成熟別に生存率を比較したところ、成熟な新生血管の場合に予後が良好であった。また、血管新生のマーカーであるVEGFの高発現例においても予後が良好な結果であった(ANTICANCER RESEARCH 2018; 38: 4057-4063 )。我々が立てた仮説とは逆の結果になり、癌幹細胞の活性化には別の因子が影響していると考えた。
次に肺腺癌の予後に影響する因子を解析するため、PRDX4、MIB-1、EFGRの発現と予後への影響を解析したところ、PRDX4の低発現とMIB-1陽性例で予後が不良で(. Int J Med Sci. 2018 Jun 14;15(10):1025-1034)、PRDX4の低発現例はEGFR野生型が多かった(Int. J. Med. Sci 2019; 16(9): 1199-1206)。また、PRDX4を過剰発現させると、肺腺癌の増殖が抑制された。このことから、肺腺癌においてPRDX4が予後に影響を及ぼす因子である事が判明した。我々は肺癌浸潤部でスフィンゴリン脂質が高発現すること、セリンプロテアーゼの一 種のTMPRSS4が肺癌のリンパ節転移に影響すること報告しており、これらの因子とともに肺癌の幹細胞の活性化にPRDX4が関連している可能性があると考え、次年度の研究課題とした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

癌幹細胞の活性化のマーカーと考えたCD31およびVEGFが仮説とは逆の結果となり、実験内容を大幅に変更する必要があったため。

今後の研究の推進方策

癌幹細胞のマーカーと考えられているCD131、CD44、ALDH1の発現を肺癌切除標本で評価することで、肺癌における癌幹細胞の同定を行う。次に癌幹細胞マーカー陽性の培養細胞を用いて自己複製能を確認するとともに、PRDX4、スフィンゴリン脂質、セリンプロテアーゼおよびマトリックスメタロプロテアーゼの発現が影響するかも確認する。さらに、癌幹細胞マーカー陽性の培養細胞を用いて、浸潤能と転移能の評価を行い、PRDX4、スフィンゴリン脂質、セリンプロテアーゼおよびマトリックスメタロプロテアーゼの発現が影響するかも確認する。

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公開日: 2021-01-27  

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