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2019 年度 実施状況報告書

希釈式自己血輸血採取血液の経時的凝固能の変化:トロンボエラストメトリーを用いて

研究課題

研究課題/領域番号 19K18233
研究機関弘前大学

研究代表者

斎藤 淳一  弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (90647413)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード希釈式自己血輸血 / 凝固因子活性 / フィブリノーゲン / ROTEM
研究実績の概要

希釈式自己血輸血を実施する際に採血した血液をROTEM(Tem International, Munich, Germany)を用いて凝固活性の変化を経時的に評価した。
2020年3月末時点で12症例(男性6名、女性6名)の希釈式自己血輸血実施症例でROTEMを測定した。測定項目は凝固系の内因系および外因系を評価できるINTEMおよびEXTEM、血漿フィブリノーゲン値と正の相関を認めるとされるFIBTEMにつきclotting time (CT), clot formation time (CFT), alpha-angle, Amplitude 10 min after CT (A10), Maximum clot firmness (MCF)を測定した。採血直後、4時間後、8時間後、12時間後、24時間後の5点で測定を行った。
CTおよびCFTはEXTEM、INTEM、FIBTEMのいずれでも有意な経時的変化を示さなかった。A10、A20、MCF はFIBTEMでは採血後24時間後も変化しなかったが、EXTEMでは8時間後より、INTEMでは4時間後より統計学的に有意に低下した。EXTEMおよびINTEMのMCF減少率は最大それぞれ13%と12%であり、測定値はINTEMの1測定点を除きすべて正常範囲内であった。
内因系・外因系凝固因子活性およびフィブリノーゲン活性は室温下24時間後も維持された。一方、EXTEM、INTEMのA10、A20、MCFが減少しており、血小板機能あるいは複数の凝固因子活性の低下が示唆された。しかしながら、採血後24時間経過したMCFの低下率は15%未満であり、採血後8時間経過後も凝固因子や血小板の補充目的でHATが有用である可能性が示唆された。
上記の内容の一部は2019年度日本麻酔科学会で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に施行する予定であった症例数はクリアできており、測定も順調に進んでいる。
研究報告にあたり、さらなる症例が必要となれば追加の測定を行う予定であるが、これまで得られたデータで論文投稿の準備を進めている。

今後の研究の推進方策

ROTEMの測定結果を裏付ける各凝固因子活性および血小板活性の経時的測定につき追加の測定が必要か検討している。現在までに得られたデータをもとに論文作成を進め、希釈式自己血輸血の凝固能の継時的変化を公表できるよう努める。

次年度使用額が生じた理由

所属先に所有していた既存の試薬を用いることでROTEM測定に使用する予定であった試薬の購入行わずに測定することができたため、直接経費が削減された。次年度では症例を追加するため、試薬の購入を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 希釈式自己血輸血の凝固能の安定性2019

    • 著者名/発表者名
      木下裕貴 斎藤淳一 中井希紫子 野口智子 竹川大貴 廣田和美
    • 学会等名
      第66回日本麻酔科学会

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公開日: 2021-01-27  

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