研究課題
若手研究
希釈式自己血輸血採血後24時間経過しても血中のフィブリノーゲンを反映する検査(FIBTEM)は有意に変化しなかった。凝固因子や血小板活性を反映する検査(EXTEM)は時間依存的に減少したが、いずれも正常範囲内であった。希釈式自己血輸血の血液は、室温で保存すれば採血後8時間以上止血目的に使用できる。今後、希釈式自己血輸血をした場合の患者の止血に関する臨床的影響を明らかにする必要がある。
麻酔科学
希釈式自己血輸血は同種血輸血を回避する手段として実施される自己血輸血の一つである。本研究により8時間を超える長時間手術においても希釈式自己血輸血の凝固機能が維持されることがわかった。新型コロナ感染症の流行により同種血輸血の供給が不足する状況下において希釈式自己血輸血が手術中の凝固因子補充を目的として長時間使用できる可能性が示された。