研究課題/領域番号 |
19K18237
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
坂口 雄一 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60815091)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高流量鼻カニュラ酸素療法 / 睡眠時無呼吸 / 座位 / 周術期 |
研究実績の概要 |
研究仮説『OSA患者の全身麻酔後にHFNCを使用するときは、仰臥位よりも座位の方が上気道閉塞の治療効果が高い』について検証すべく、研究計画立案、院内での倫理委員会手続きの後に臨床試験を開始した。目下、患者リクルートを行い、同意が得られた被験者に対してデータ採取を行っている段階である。現在、データ採取の途中であるため主要・副次評価項目ともに解析結果はまだ出していない。しかしながら、周術期のHFNC使用と体位、もしくはOSAとの関係についての新たなまとまったエビデンスは現時点でもなく、本研究を進めていく意義とそこから得られる知見は十分にあると考える。 また、副次評価項目であるが、全身麻酔中・筋弛緩状態での咽頭内視鏡による観察によるHFNCの流量と咽頭断面積の変化についても、これまでで興味深い傾向のデータが得られており、今後の研究の進行が期待される。 今後の展望もついても記述する。主要評価項目であるOSA患者の術後にHFNCを使用した際の体位とAHIの関係についてであるが、現時点で明確に述べることはできないものの 、過去の報告から予想されたようにHFNCによる効果は個人差が大きいように感じられる。当初の計画のように、本研究からその個人差が生じるメカニズムを解明することができれば、HFNCをより効果的に周術期管理に活用することが可能になると考える。また、AHIとしては現れないが、簡易睡眠検査による鼻内圧波形からHFNCによる呼吸様式の変化が捉えられる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
除外基準に該当する症例が当初の想定よりも多く、被験者リクルートに適当な症例が限られている。それに加えてコロナウイルスの蔓延により、本研究による感染拡大リスクもあることから研究実施に支障が出ている。
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今後の研究の推進方策 |
データ採取を継続し、目標サンプル数を達成する。その後データを解析し論文として報告する。 現在、新型コロナウイルス感染の蔓延により新たな被験者リクルートが困難となっている。感染の終息が待たれる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の実施にあたり、院内の物品を使用することが可能となったため物品費が少なくなった。 次年度以降、データ採取および解析に必要なシステム構築のために資金を使用する計画である。
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