神経ブロックを行う際に、長時間作用型ステロイドであるデキサメタゾンを局所麻酔薬に添加すると局所麻酔薬の作用時間が延長することが知られているが、そのメカニズムは未だに明らかになっていない。本研究ではマウス術後痛モデルを用いて、坐骨神経ブロックに対する長時間作用型ステロイド添加による局所麻酔薬作用延長効果を、行動学的および組織学的に検討した。神経ブロック後のマウスの後根神経節に対して免疫染色による組織学的な検討を行った結果、神経ブロック後早期の段階では、長時間作用型ステロイド添加群において神経型の一酸化窒素合成酵素の減少が見られ、延長効果の機序への関与が考えられた。
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