研究課題/領域番号 |
19K18244
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
笠井 飛鳥 徳島大学, 病院, 助教 (90756892)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 吸入麻酔薬 / プレコンディショニング / サーチュイン / オートファジー |
研究実績の概要 |
オートファジーは自食作用と呼ばれ、細胞内タンパク分解機構であり、不要なタンパク質やダメージを受けた器官を除去して細胞を正常に保つ働きも行っており、虚血再潅流時にオートファジーの誘導が心筋に対し保護的に作用することが示唆されている。 Sirt遺伝子はサーチュインsirtuin遺伝子とも呼ばれ、クラスIIIヒストン脱アセチル化酵素であり、遺伝子の転写制御において重要な役割をはたしていることで知られている。さらに、近年の研究によると心機能の制御や虚血に対する心筋耐性をコントロールする作用についても報告されている。 また、短時間の虚血再灌流がその後の長時間の虚血に対する心筋梗塞サイズを減少させるという報告があるが、近年、吸入麻酔薬、オピオイドやアデノシンなども同様のメカニズムで心筋保護作用があると考えられている。そこで、この心筋保護作用にSirtやオートファジーがどのように関与しているかを調べた。 マウスに吸入麻酔薬イソフルランを1.0MAC吸入させた後(APC刺激)、心臓を取り出しホモジナイズしRT-PCR、イムノブロットを用いRNA及びタンパクレベルにおいてSirtの発現が増加していることを明らかにした。 次に、マウスを人工呼吸下に開胸、血行動態を測定しながら、心臓冠動脈を30分間閉塞した後を行なった。その後、2時間再潅流し、再び冠動脈を閉塞、Evans Blueを注入し心臓を取り出す。心臓をスライスし、TTCにて再染色を行い心筋梗塞サイズを測定した。Sirtの誘導剤であるresveratrol、Sirtの阻害剤であるnicotinamideをAPC刺激前に投与し、同様の虚血再潅流実験を行うことで、吸入麻酔薬の心筋保護作用がSirtを介して発現することが明らかとなった。。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在行っている虚血再灌流実験をさらに進め、サンプル数を増やす予定である。これは、申請書に書かれた実験時間経過に従って研究で、おおむね順調に進展しており、予定通り実験が進んでいる。申請者が所属する研究グループは、以前より継続して吸入麻酔薬による心筋保護作用の研究を行っており、実験における手技において実験の遂行に支障はない。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、各群のマウス(コントロール群、吸入麻酔薬群、Sirt誘導剤群、吸入麻酔薬+Sirt誘導剤群、Sirt阻害剤群、吸入麻酔薬+Sirt阻害剤群)の摘出心を組織固定し、オートファジーの誘導を単位面積当たりのオートファゴソームを電子顕微鏡にて観察、アッセイキットにて検出し比較検討する。また、関連タンパクについてイムノブロッティング法にて比較する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)3月に納品となり、4月支払いのため。 (計画)4月に支払が完了する予定である。
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