研究課題/領域番号 |
19K18247
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
立花 俊祐 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30737309)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | セボフルラン / 手術侵襲 / トランスクリプトーム解析 / 腸内フローラ / 腸脳相関 |
研究実績の概要 |
2019年には高齢者におけるPOCDの病態を解明するために、週齢が78週(1年6ヶ月)まで当施設で育成されたC57/BL6マウスを使用する。これらのマウスを、通常群(麻酔や手術侵襲を与えていないもの)、セボフルラン曝露群、手術群(セボフルラン曝露下に開腹手術 を受けたもの)、 抗生剤投与群(手術群に抗生剤を与えたもの)に分類する。2.上記のマウス群を用いて、処置介入後に麻酔下に盲腸内容物を回収し、次世代シークエンサーによるメタゲノム解析を行い、腸内フローラ多様性の変動を解析する。3.上記のマウス群を用いて、麻酔下に採血と海馬組織の切除を行い、各種血漿サイトカイン濃度をELISA法(細胞シグナリング関連ELISAキット:PromoCell社)を利用して解析する。海馬は単離したのち RNeasy plus microキット(QIAGEN社)を用いてRNAを 抽出する。4.RNAはcDNAに変換したのち、先行研究でトランスクリプトーム解析にて選定された候補遺伝子を参考にして、qRT-PCRを施行し個別に発現解析する。そして2020年度は、2019年得られた結果を参考に、腸内フローラの多様性の変容と炎症性サイトカインの変化、海馬でのmRNAの変動を比較検討、パスウェイ解析を施行し腸脳相関の詳細を明らかに する。またバーンズメイズ試験を用い、目的地点までの行動速度や距離を測定することで 、 実際の認知機能を測定する予定であった。
通常群、セボフルラン曝露群、手術群に対する次世代シークエンサーによるメタゲノム解析を実施し、現在詳細な解析を行っているところである。 また全体としては、コロナ禍での高齢マウスの確保が難しく、進捗が遅れている状態である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全体としては、コロナ禍という影響もあったため高齢マウスの確保と育成が難しかった時期があり、進捗が遅れている状態である。
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今後の研究の推進方策 |
安定的に高齢マウスを手に入れることが可能になって来たため、粛々と研究計画に従って実施して行きたい。 研究に必要な手技に関しては問題なく進めることができるため、遅れを取り戻すことは可能と考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗が遅れたことが、研究助成金の余剰に繋がったと考えている。 しかしながら、研究計画を粛々と実行することにより、これらの使用に関しては問題なく消費されるものと考える。
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