近年、麻酔科領域を中心に神経ブロックを行う機会が増加している。その際、迅速な効果発現と効果持続時間の長さの両立が求められるため、短時間作用型と長時間作用型の局所麻酔薬を併用する場合がある。異なるタイプの局所麻酔薬の併用投与によってそれぞれの中毒閾値が変化するか否かが明らかにされていないため、併用投与の極量は明らかではない。本研究は、ラットを用いた動物実験で、2種類の局所麻酔薬を同時投与した場合、それぞれの中毒閾値がどのように変化するかを、持続静注による痙攣誘発量を求めることによって検討するものである。 本研究では、ラットに脳波を測定しながら、短時間作用型局所麻酔薬リドカインまたはメピバカイン、長時間作用型局所麻酔薬レボブピバカインまたはロピバカインを単独、および両者を組み合わせて、一定速度で静注し、それそれの局所麻酔薬の単独および混合投与での痙攣誘発量を測定した。 混合投与で行った結果、短時間作用型と長時間作用型の局所麻酔薬を併用すると相加作用になることが示唆された。
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