研究課題/領域番号 |
19K18249
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
仙頭 佳起 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (80527416)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 日本PACU研究会 / PACU開設 / 有用性検証 |
研究実績の概要 |
本研究の目的のひとつめである「術後24時間以内の重篤な有害事象の発生状況の把握と解析」に関しては,昨年度までに研究計画をある程度達成できている。 本研究の目的のふたつめである「術後の重篤な有害事象を減少させるための対策としてのPACU開設の有用性検証」に関しては,その方法を検討しなおした。 まず,計画通り「日本PACU研究会」を設立した。これまでにPACUを開設した施設の代表者やPACU開設を検討中の施設の代表者をコアメンバーとした。7名のコアメンバーには申請者の他に研究協力者である祖父江氏と白神氏が含まれる。コアメンバーでweb会議を開催し,今後の計画について協議した。さらに,日本PACU研究会のホームページ(https://www.j-pacu.jp/)を作成し,情報発信の場を確保した。 日本PACU研究会での協議の結果,PACU開設の有用性検証は,オンラインデータ登録システムによる前後比較試験(エビデンス弱)ではなく,ステップウェッジクラスターランダム化比較試験(エビデンス強)でおこなうこととした。また,研究参加施設は,やみくもに公募するのではなく,PACUに関する全国調査を行ってPACUのニーズがある施設を絞り込んで応募を打診することとした。そのための予備調査を群馬県を対象におこない,結果を臨床麻酔誌で報告した。 研究の構想と全国調査の予告を学術集会や各種セミナーでの講演の際に説明して周知している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究から発生する研究会である「日本PACU研究会」を設立できたため。これにより,ディスカッションの場や情報発信の場を確立できたため。全国調査の予備調査結果を報告できたため。 ただし,新型コロナウイルス感染症の影響もあり対面での研究会を開催できておらず,詳細を決定できていないため,全国調査を開始できていない。
|
今後の研究の推進方策 |
日本PACU研究会でPACUに関する全国調査を行って,PACUのニーズがある施設を絞り込む。その施設にランダム化比較試験への参加を依頼する。術後管理の安全性を向上させる対策としてPACUは有用なのかどうかを検証するために,ステップウェッジクラスターランダム化比較試験をおこなう。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に計画していた有用性検証試験が来年度へ持ち越されたことや,新型コロナウイルス感染症流行のため学術集会参加の機会が減少したため,次年度使用額が生じた。 次年度には,全国調査とランダム化比較試験を実行するのに助成金を使用する。また,関連する学術集会での発信を積極的に検討する。
|