研究課題/領域番号 |
19K18257
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
内田 洋介 北海道大学, 大学病院, 助教 (00507585)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 術後認知機能障害 / メタボリックシンドローム / 肥満 / 高脂肪食 |
研究実績の概要 |
本研究では手術後に発生する認知機能障害の病態およびその効果的な予防法に関して、食餌誘発肥満モデルマウス(DIOマウス)を用いて解明することを目的としている。肥満をはじめとしたメタボリックシンドロームは術後認知機能障害のハイリスク要因であることは既に過去の報告(Front Immunol. 2017Dec11;8:1768)で分かっているものの、その詳細には未だ不明な点があり、その点を探求することが本プロジェクトの目的である。 1. モデル動物の確立:これまでの研究では通常食を与えたマウス(NDマウス)と高脂肪食を与えたDIOマウスを12週間の給餌期間をもって作成した。12週間の給餌期間は高脂肪食によるDIOマウスのフェノタイプが効率的に得られるように過去の文献報告を参考にして決定した。12週間の給餌後ではDIOマウスの体重はNDマウスと比較して有意に増加しており、術後認知機能障害のハイリスク群として本研究に使用することができると確認した。介入操作は当初計画していた脛骨手術から変更を行い、過去の報告にならい無菌的手術と同等の効果を有するとされるHMGB1の腹腔内投与をもって代替することとした。 2. 動物試料の解析:DIOマウスおよびNDマウスから採取した血漿サンプルおよび海馬サンプルを酵素結合免疫吸着検査(ELISA)法で解析したところ、ある種のアディポサイトカインの上昇がこれまで確認できている。現在のところHMGB1投与6時間後に行った解析では、DIOマウスNDマウスともに炎症性サイトカインの上昇は確認できていないため、測定するタイムポイントの変更を行い検証を待つ段階にいる。 3. 行動学的試験:12週間の食餌がマウスの行動に与える影響を恐怖条件付け試験によって観察を行ったところ、過去の報告に矛盾せずDIOマウスにおいてもNDマウスにおいてもHMGB1投与後に有意なすくみ時間の減少を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験モデル動物の作成に12週間の食餌を与える必要があり、実験結果に基づく方針決定に時間を要する研究デザインであることも理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
研究を総括すデータは徐々に集まってきている。残りの期間で研究の遅れは十分に挽回可能と考えている。
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