筋弛緩薬は手術麻酔に必須の薬剤だが、術後の筋弛緩作用の残存は患者の不利益につながる医原性合併症である。我々はこれまでの先行研究において、高齢者が術後残存筋弛緩の1つである再クラーレ化のリスクが高いことを明らかにした。その際に肥満患者も同様にリスクが高いことが予測されたため、肥満患者での研究を計画したが、コロナ禍に伴う研究は中断し、これについては十分な成果は出せなかった。しかし、筋弛緩研究者として国際学会へのオンライン参加や日本国内の学会での招待講演などを行い、残存筋弛緩の危険性について広く啓発活動を行ってきた。また千葉大学病院での筋弛緩管理についての実態について調査し、論文化を行った。
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