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2020 年度 実施状況報告書

下行性抑制系のセロトニン経路に対するガバペンチンの作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K18265
研究機関新潟大学

研究代表者

柳村 春江  新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (80814897)

研究期間 (年度) 2020-02-01 – 2022-03-31
キーワードガバペンチン / 下行性疼痛抑制系 / セロトニン
研究実績の概要

ガバペンチンが中枢神経のセトロニン核と脊髄におけるセロトニンの動向に与える影響を明らかにする為に、組織学的実験を行った。
神経障害性モデルとして坐骨神経を結紮する手術をしたラット(SNLモデル)と、神経を結紮しない手術を行ったラット(Shamモデル)を作成した。ガバペンチンを100 mg/kg腹腔内投与した群と投与しない群にわけ、それぞれ灌流固定したのちに脳と脊髄の標本を採取した。セロトニンの核である背側縫線核(DRN)と大縫線核(NRM)を対象にセロトニン合成酵素であるトリプトファン水酸化酵素(TPH)と細胞活性のマーカーであるpCREBに対する蛍光免疫二重染色を行った。また対照実験としてノルアドレナリン核である青斑核(LC)のノルアドレナリン合成酵素とpCREBの染色も行った。
LCの染色ではSNLモデルにおいてガバペンチン投与群の方が非投与群と比較してpCREB陽性細胞数が多い傾向にあった。これは過去の研究と同様の結果であり、今回の実験系が機能していることを示していると考えられる。
NRMの染色では、SNLモデル、Shamモデル両者においてガバペンチン投与群の方が非投与群よりTPHとpCREBで染色された細胞の数が多い傾向にあった。これにより、ガバペンチンが下行性疼痛抑制系に影響を与えている事が分かった。また、NRMを活性化し、脊髄でのセロトニン合成を増やすことで鎮痛効果を示している可能性が示唆された。検討標本数が少ない為、今後個体数を増やしてさらに検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響で、発注した抗体が届くのに時間がかかり、実験開始が遅くなった。
育児が加わった事で実験する時間を確保しづらくなった。

今後の研究の推進方策

背側縫線核(DRN)の染色結果の解析、脊髄後角でのセロトニン分泌についての蛍光免疫染色を実施する。
染色の結果、ガバペンチン投与群の脊髄におけるセロトニン分泌が増加傾向にあった場合には、行動学的実験として、セロトニン拮抗薬を投与した群と非投与群でガバペンチンの鎮痛効果に変化があるかどうか検討する。
また、各種セロトニン拮抗薬を投与して逃避閾値を測定し、ガバペンチンの効果に対する作用を検討する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の影響で、実験を一時中断せざるを得なかったため。

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公開日: 2021-12-27  

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