研究課題/領域番号 |
19K18269
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
川島 信吾 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10467251)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 出血性ショック / 近赤外分光法 |
研究実績の概要 |
対麻痺の発生率は減少しているものの、胸腹部大動脈瘤に対する外科治療での発生率は今だに3-16%である。現状として運動誘発電位(MEP)以外はこれといったモニターや予防法はなく、MEPでさえ全身麻酔の術中モニターとしてしか使用できなく、低体温などの時にはMEPは消えてしまう。一方、近赤外分光法(Near-infrared spectroscopy:以下NIRS)は非侵襲的に組織の酸素化指標として広く使用されており、今年体外循環での保険適応がなされその有用性が注目されている。そこで、脊椎を露出してNIRSを装着し、出血と輸液による、他紙血液量を補正したもの、さらに、血圧を昇圧剤によりあげたものと、降圧剤により下げたものを比較した。体重25-30kgのブタを用いる(約20匹予定)。イソフルラン吸入により麻酔導入し、挿管、人工呼吸下にイソフルランを呼気終末濃度2%(ブタ1MAC)で維持する。伏臥位にして、胸部と腰部の脊椎を露出してNIRSを装着。コントロールとして頭にもNIRSを装着して、脊椎の血流とNIRSの関係を調べた。コントロールを取った後、出血性ショックを起こすとNIRSは低下した。その後、輸液と血圧上昇によってもNIRSは元の値にまでは戻らないことが分かった。オートレギュレーションが脊髄にもあることがこれにより分かったが、酸素化指標は輸液だけでは戻らないこともわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナにより豚の搬入を抑えたため、年度代わり周辺から計画が止まっている。脊髄の評価として、NIRSが直接図れるか確認したことがよていよりも遅れる原因になっている。
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今後の研究の推進方策 |
脊髄と脳以外の組織にもNIRSを装着して、脊髄と他の臓器や組織の酸素化の関連を調べる。その関連がわかった状態で、大動脈からの血流を止めて(大動脈を遮断する)脊髄の虚血と関連が深い組織を見つける。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は豚が予定よりも使用しなかった。年度末の出張費がかからなかったため。
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